病院紹介
医療倫理・各種指針
医療倫理
医療は、病める人の治療はもとより、人々の健康を維持し増進を図るものである。
豊橋市民病院で働く職員は、医療の責任の重要性を認識し、人道的立場で職務を遂行しなければならない。
- 私達は、常に医療の知識と技術の習得に努めるとともに、その進歩と発展のために努力しなければならない。
- 私達は、良心と尊厳をもって職務を実践し、自らの教養を深め、人格を高めるよう努力しなければならない。
- 私達は、医療を行うに当たっていかなる要因であろうとも患者を差別したり偏見を持ったりしてはならない。
- 私達は、人命を最大限尊重し、患者の健康を第一に考えなければならない。
- 私達は、患者の人格を尊重し優しい心で接するとともに、医療内容を良く説明し同意と信頼を得るように努めなければならない。
- 私達は、同じ使命で働く同僚をお互いに尊敬し協力し合って医療に尽くさなければならない。
- 私達は、患者の個人情報を厳守しなければならない。
- 2012年11月5日採択
患者さんの意思を尊重し、最善の医療・ケアを実践することを目的として、「豊橋市民病院 臨床倫理方針」を制定します。私たちはこれを遵守します。
1.基本方針
- 臨床倫理にのぞむにあたり、自律尊重、与益、無危害、正義の各原則を尊重します。
- 患者さん・家族等と医療・ケアチームが、お互いの情報を共有し、十分に話し合うことで、共に納得できるような合意形成(共同意思決定)を行います。患者さん自身の目標や価値観なども反映された医療・ケアの実践を目指します。
- 臨床倫理に関わる国や各種学会などが定めた法令、ガイドラインなどに沿った医療・ケアを提供します。
- 臨床現場において倫理的な価値判断が困難な事例が発生したときは、臨床倫理検討委員会(※1)が運営する臨床倫理コンサルテーションチーム(※2)で検討を行い、最善な医療・ケアを目指します。判断が困難な場合は倫理委員会(※3)へ審議を求めます。
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※1
臨床倫理検討委員会(豊橋市民病院臨床倫理検討委員会設置要綱)(2023年3月改定)
当院における医療行為の実施において発生する倫理的問題への対応を検討するための委員会 -
※2
臨床倫理コンサルテーションチーム(臨床倫理コンサルテーションチーム運営要領)(2023年3月改訂)
院内職員が治療・ケアに関して日常的に遭遇する倫理的な価値判断が困難な症例について、多職種で課題を共有し、検討を行った上で適宜助言を行うためのチーム。 -
※3
倫理委員会(豊橋市民病院倫理委員会要綱)(2021年1月改訂)
当院の職員が行う診療行為及びこれらに関連する諸事象が、医の倫理に基づいて忠実に行われることを目的とした委員会。
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※1
臨床倫理検討委員会(豊橋市民病院臨床倫理検討委員会設置要綱)(2023年3月改定)
2.主な倫理的課題
- 意思決定能力が不十分な患者さんへの対応
患者さんの家族等、本人の意思を推定できる代弁者と十分に話し合った上で、必要な判断、決定を行います。家族等の適切な代弁者がいない場合は、臨床倫理コンサルテーションチームと連携し、多職種による話し合いで、患者さんにとって最善な医療・ケアを目指します。 - 人生の最終段階における意思決定
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年3月改訂)(厚生労働省)にもとづき、患者さん・家族等と十分に話し合った上で、患者さんの意思に沿った医療・ケアを行います。また、可能な限り、疼痛やその他の苦痛を緩和し、身体的・精神的・社会的支援を含めた全人的な医療・ケアを目指します。 - 虐待等に対する対応
児童・高齢者・障害者に対する虐待、配偶者からの暴力、性犯罪・性暴力が疑われる場合は、「虐待防止対応院内マニュアル」(2022年9月改訂)(※4)に従います。-
※4
豊橋市民病院虐待防止院内対応マニュアル(2022年9月改訂)
関係機関と連携し、組織的に虐待に対応できる体制を整備し、虐待の予防、早期発見、早期対応、再発防止を推進することを目的とした院内マニュアル。
-
※4
豊橋市民病院虐待防止院内対応マニュアル(2022年9月改訂)
- 治療や検査等の拒否に関する対応
治療や検査等を行わないことに関する患者さんの利益不利益を十分説明します。治療や検査等の拒否が生命にかかわる場合は、必要に応じて臨床倫理コンサルテーションチームで検討します。 - その他の倫理的課題
必要に応じて臨床倫理コンサルテーションチームで検討します。
この臨床倫理方針は、時代の変化に鑑み、適宜見直しを行います。
参考:各種ガイドライン等
- 患者の権利に関するWMAリスボン宣言(2015年4月)(世界医師会)
- 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(2018年3月改訂)(厚生労働省)
- 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(2018年6月)(厚生労働省)
- 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン(2019年6月)(厚生労働省)
- 障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン(2017年3月)(厚生労働省)
- 重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン(2012年4月)(公益社団法人日本小児科学会)
- 母体保護法(2020年10月改正)(厚生労働省)
- 高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン─人工的水分・栄養補給の導入を中心として─(2012年)(日本老年医学会)
- がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き(2023年改訂)(日本緩和医療学会)
- 共生社会の実現を推進するための認知症基本法(2023年6月)(厚生労働省)
院長、副院長、病理診断科部長、小児科部長、薬局長、看護局長、病院事務局長、学識経験者2名より構成。
- 医療倫理講演会
医療倫理の理解を深めるための講演会を開始しました。
開催日 | 講演内容 / 演者 |
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2023/ 11/08 |
臨床倫理の考え方と実践 〜医療マネジメントの手段としての臨床倫理コンサルテーションという試み〜 いなば法律事務所 弁護士 稲葉一人 |
2023/ 09/07 |
医療機関における臨床倫理コンサルテーションの実践 〜日常ケアの倫理から始まる意思決定支援〜 京都市立病院 副看護部長 がん看護専門看護師 松村優子 |
2022/ 11/18 |
臨床倫理の基礎 〜自院での倫理コンサルテーション事例から学ぶ〜 いなば法律事務所 弁護士 稲葉一人 |
2022/ 08/30 |
医療の質向上の手段としての臨床倫理コンサルテーションの試み〜となりのカンファレンスをのぞいてみよう〜
京都市立病院 がん相談支援センター 看護師長・がん看護専門看護師 松村優子 |
2021/ 11/04 |
医療現場における法と倫理 ~終末期医療の在り方について~ 中京大学法務総合教育研究機構教授 稲葉一人 |
2020/ 11/12 |
医療現場における法と倫理 ~終末期医療の在り方について~ 中京大学法務総合教育研究機構教授 稲葉一人 |
2019/ 02/26 |
急性期病院で取り組む認知症ケア・意思決定
国立がん研究センター 東病院精神腫瘍科 科長 先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野 分野長 小川朝生 |
2018/ 02/23 |
地域におけるアドバンスケアプランニング
・国立長寿医療研究センター緩和ケア診療部/EOLケアチーム 在宅連携医療部 在宅医療・地域連携診療部 地域連携連携室長 西川満則 ・レモンの樹大府 指定居宅介護支援事業所 大城京子 |
2017/ 02/23 |
現場実践に活かす『臨床倫理』の考え方 〜特に高齢患者さんの終末期における治療方針をめぐって〜 宮崎大学大学院医学獣医学総合研究科教授 板井 孝壱郎 |
2015/ 09/18 |
医療現場における生命倫理:DNRの問題を中心に
京都大学大学院文学研究科倫理学専修准教授 児玉 聡 |
2014/ 02/14 |
リビング・ウェルのすすめ
愛知県がんセンター名誉総長 大野 竜三 |
2012/ 05/23 |
「患者中心医療」の落とし穴~未決状態のなかでの決定~
浜松医科大学総合人間科学講座倫理学教授 森下 直貴 |
当院における医療行為の実施において発生する倫理的問題への対応を検討するための委員会。
臨床研究
当院では、平成29年4月1日に臨床研究関係業務を独立させた部署「臨床研究管理室」を発足しました。この組織では、豊橋市民病院で実施される臨床研究の管理を行います。
医療安全管理指針
安全で質の高い医療を提供することは、病院にとって最も重要な課題となっています。豊橋市民病院では医療安全管理のため、医療安全管理指針を定めています。
院内感染対策指針
豊橋市民病院では、病院の理念や基本方針に基づく安全で快適な医療の提供を目的に、院内感染予防と感染制御を行っていくため、院内感染対策指針を定めています。