当院の特徴

がん登録

がん登録

がん登録とは、がんに罹患した方の診断、治療、経過に関する情報を集めて分析する仕組みです。

がん登録には、国が国内のがん患者の氏名、性別、生年月日等の情報を収集する「全国がん登録」と、各医療機関ががんの部位や進行の程度、診断や治療の方法等を収集する「院内がん登録」があります。
当院は院内がん登録を行っており、収集された情報は、以下の目的で利用しています。

  • 当院におけるがん診療の把握
  • 全国がん登録への情報提供
  • 生存率の計測
  • がんの臨床研究への利用 等

ご自身の情報を利用されたくない方は、事務局 医療情報課まで申し出ください。

院内がん登録数年次推移

院内がん登録数年次推移は、当院にて初回診断を行った方の登録数です。
初回診断とは、当院で初めて診断又は治療もしくは診断及び治療を行ったことを言います。

予後調査(生存確認調査)について

予後調査は生存率を計算するための調査です。

予後調査とは、当院でがんの診断または治療を受けた方の3年後、5年後、10年後の生死状況を確認する調査です。この調査により、がんの種類や進行度別の生存率が算出できます。生存率は、がん治療の効果判定において重要かつ客観的な指標となります。調査は、来院歴から行う内部調査のほか、住民票照会や医療機関照会、国立がん研究センターの自主事業である「予後調査支援事業」等へ依頼する外部調査があります。

生存率の算出には、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた「実測生存率」と、がんによる死亡のみを死亡とみなす「補正生存率」、実測生存率から対象者の属性(性別、年齢、地域等)の期待生存率を除いた「相対生存率」があります。当院では、Kapan-Meier法(カプラン・マイヤー法)を用いた実測生存率を算出しています。5年生存率は、がんと診断された年から生存期間が5年経過した時、生存率が何パーセントであるかを示しています。ステージごとの「生存期間中央値」は、生存率50%に到達した期間を表しています。

また、国立がん研究センターのホームページでは、5年生存率の全国値が公表されています。

がんの臨床研究

2007年にがん対策基本法が施行となり、「全国どこでもがんの標準的な専⾨医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図る」ことを⽬的としたがん医療の均てん化が進められました。がん医療の均てん化は、医療の質を「構造(病床数などの病院特性や患者特性)」、「過程(標準治療の実施などの治療内容)」、「結果(⽣存率などの予後指標)」の3つの側⾯から評価する必要があり、治療ならびに緩和医療の質指標(QI, Quality Indicator)を医療機関ごとに測定し、各医療機関へ還元する取り組みが⾏われています。
当院では、院内がん登録を利用した臨床研究に参加することで、がん医療の向上につなげています。

【参加中の臨床研究】