診療科・部門

血液・腫瘍内科

診療科のご案内

造血器腫瘍に対する化学療法や自己末梢血幹細胞移植、同種造血幹細胞移植から、血液良性疾患に対する免疫療法や補充療法、血栓・止血疾患に対する治療まで、多くの血液疾患へ対応しています。標準療法を基本としながらも、国内外の新たな知見を積極的に取りいれ、患者さんの意向に配慮しつつ、最善の治療を提案できるよう努めております。
外来は月から金曜日まで初診を含めて毎日診療を行っており、入院は西病棟9階(49床、うちクリーンルーム10床)で対応しています。入院が必要な患者さんが速やかに入院できるよう、体制を整えております。
血液疾患の治療、特に造血幹細胞移植などでは治療合併症が多岐にわたりますが、当科医師や看護師だけでなく、他科医師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカー、造血細胞移植コーディネーターなど多職種でチーム医療を行い、より質の高い医療を提供できるようにしています。

外来担当医表

第7内科午前井本倉橋信※井本倉橋信山本里
午後井本倉橋信井本倉橋信山本里
第8内科午前中島伊藤理中島伊藤理
午後中島伊藤理中島伊藤理
第10内科午前纐纈久保
午後纐纈久保

※移植外来(予約のみ)

代表的な疾患・治療

血液・腫瘍内科では、血液細胞(白血球、赤血球、血小板)の異常、その産生過程(造血器)の異常、リンパ組織の異常、凝固線溶系の異常などを示す疾患を対象としています。

骨髄の腫瘍性疾患で、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に分かれます。進行は急速で、易感染性や貧血、易出血性を認めます。まずは完全寛解(腫瘍細胞が減少し、正常造血が回復する状況)を目指した寛解導入療法を行います。その後は再発を予防するための寛解後療法を行いますが、腫瘍のタイプにより化学療法のみで行うか、同種造血幹細胞移植を行うかを判断します。

骨髄の腫瘍性疾患で、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ白血病に分かれます。進行は緩徐で、自覚症状を認めることは少なく、健診などで見つかります。慢性骨髄性白血病では、慢性期であればチロシンキナーゼ阻害剤を用い、多くは長期の病状コントロールが可能です。急性転化を認めた場合は、同種造血幹細胞移植を行います。慢性リンパ性白血病では、進行を認めた段階で、化学療法やブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤などで治療します。

骨髄の腫瘍性疾患で、造血不全による易感染性や貧血、易出血性を来たし、また進行すると急性骨髄性白血病へと移行します。低リスク群では輸血療法やエリスロポエチンなどの造血剤を、高リスク群では脱メチル化薬や同種造血幹細胞移植を行います。

リンパ節や脾臓などに発生する腫瘍です。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられ、非ホジキンリンパ腫はさらに低悪性度リンパ腫と中高悪性度リンパ腫に分けられます。ホジキンリンパ腫や中高悪性度非ホジキンリンパ腫は診断後すぐに化学療法を行います。低悪性度非ホジキンリンパ腫では腫瘍量が多くなった時点で化学療法を開始します。いずれも、限局期であれば放射線療法も用います。

形質細胞の腫瘍で、貧血や腎障害、骨障害、高カルシウム血症などを来たします。プロテアソーム阻害剤や免疫調整薬、抗体薬、ステロイド剤などで治療し、若年であれば自己末梢血幹細胞移植を行います。

  • 成人T細胞白血病/リンパ腫
  • 原発性マクログロブリン血症
  • 真性多血症
  • 本態性血小板血症
  • 原発性骨髄線維症

造血不全による易感染性や貧血、易出血性を来たします。免疫抑制剤や同種造血幹細胞移植を行います。

自己免疫により赤血球が破壊され、貧血を来たします。ステロイド剤を用います。

  • 巨赤芽球性貧血
  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症
  • 血球貪食症候群
  • キャッスルマン病 など

自己免疫により血小板が破壊され、易出血性を来たします。ステロイド剤やトロンボポエチン作動薬、ピロリ菌除菌、リツキシマブ、脾臓摘出術などを行います。

  • 血栓性血小板減少性紫斑病
  • 血友病
  • フォンウィルブランド病
  • 後天性血友病
  • 抗リン脂質抗体症候群 など

自己末梢血幹細胞移植、血縁者間や非血縁者間(日本骨髄バンク)における骨髄および末梢血幹細胞移植のみでなく、臍帯血移植やHLA半合致移植など、ほぼすべての移植を提供できます。

その他

火曜日午前に、同種造血幹細胞移植を受けられた患者さんを対象に、長期フォローアップ(LTFU)外来を開設しています。同種造血幹細胞移植後に特有の晩期合併症に対する評価や対応、慢性GVHDの評価、ワクチン接種の計画、日常生活へのアドバイスなどを、専門研修を受けた看護師と共に、十分な時間をかけて行っています。移植後の生活の質を改善できるよう、サポート致します。
当院のみならず、他院で同種造血幹細胞移植を受けられた患者さんでも、もちろん受診できます。

クリニカルパス

クリニカルパス(クリティカルパス)とは、特定の疾患、手術、検査毎に入院中に実践する治療・検査・看護・処置・指導などをスケジュール表にまとめたものです。

悪性リンパ腫 Pola-R-CHR療法(月~水曜日入院)(入院期間:13日)

悪性リンパ腫 Pola-R-CHR療法(木曜日入院)(入院期間:13日)

悪性リンパ腫 CHOP-R療法(月~水曜日入院)(入院期間:15日)

悪性リンパ腫 CHOP-R療法(木曜日入院)(入院期間:15日)

骨髄異形成症候群 ビダーザ療法(入院期間:9日)

スタッフ

出身大学
福井医科大学
指導医
  • 日本内科学会指導医
  • 日本血液学会血液指導医
  • 臨床研修指導医
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本血液学会血液専門医
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
認定医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本造血・免疫細胞療法学会認定医
  • 日本血栓止血学会認定医
  • 日本輸血・細胞治療学会認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
その他
  • 細胞治療認定管理師
  • 日本自己血輸血・周術期輸血学会認定自己血輸血責任医師
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院緩和ケア研修会修了
  • 診療情報管理士
  • 緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了
出身大学
岐阜大学
指導医
  • 日本血液学会認定血液指導医
  • 日本臨床腫瘍学会指導医
  • 臨床研修指導医
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本血液学会認定血液専門医
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
認定医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本輸血・細胞治療学会認定医
その他
  • 細胞治療認定管理師
  • 名古屋医療センター緩和ケア研修会修了
出身大学
愛媛大学
専門医
  • 日本血液学会血液専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本血液学会血液専門医
認定医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本造血・免疫細胞療法学会認定医
その他
  • 細胞治療認定管理師
  • 日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター
  • 名古屋第一赤十字病院緩和ケア研修会修了
  • JMECC修了
出身大学
福井大学
専門医
  • 日本血液学会認定血液専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
認定医
  • 日本内科学会認定内科医
その他
  • 豊橋市民病院緩和ケア研修会修了
出身大学
大分大学
出身大学
名古屋市立大学
その他
  • 令和3年度豊橋市民病院緩和ケア研修会修了