診療科・部門

チーム医療について

呼吸サポートチーム(RST)
について

当院では平成22年9月より経験を積んだ医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士を中心にRSTを立ち上げました。呼吸サポートチームはRespiratory Support Teamの頭文字をとって「RST」と呼ばれています。

  • RSTは医師や看護師達と共に、人工呼吸器を装着された患者さんの離脱に向けた適切な鎮静、リハビリテーション、合併症予防、質の高い安全な人工呼吸管理について取り組みます。
  • 病院勤務医の負担軽減体制に関連しても、チーム医療の推進が柱として掲げられています。
  • 病院への貢献の一つとして、呼吸ケアの方法や院内スタッフが抱える課題について一緒になって考えていきます。

栄養サポートチーム(NST活動)について

当院ではチーム医療の一環として、平成14年から勉強会を開始し、平成16年1月より栄養サポートチームが活動を開始しました。栄養サポートチームは Nutrition Support Team の頭文字をとって「NST」と呼ばれています。

栄養不良は治療や病気の予後に重大な影響を与えることが以前より指摘されていました。しかし、今までの医療では一部の医師や医療スタッフが栄養と治療との関連に注目している程度でした。入院や通院の患者さんの40%以上に栄養障害が見られるという報告が相次ぎ、栄養療法の重要性が再確認されるようになりました。そのため患者さんの栄養状態を把握し(病気の状態とともに身長や体重など身体測定と血液検査値から)適切な質の高い栄養投与(経口栄養の支援・経腸栄養・静脈栄養など)により個々の患者さんの全身状態を改善することを目的に多くの医療業種から人と知恵(専門性)・力を持ち寄って運営・活動するチームです。

  • 病気にかかりやすくなったり、2つ以上の病気になりやすくなります。
  • 手術や外傷・褥瘡(床ずれ)などの創傷治癒に悪影響をもたらします。
  • 手術後の合併症の増加や入院期間が長期化してしまいます。
  • 免疫力低下による感染症の増加・悪化が起こります。
  • 筋力低下による日常生活の質の低下(歩行困難・嚥下障害・誤嚥性肺炎など惹起)がみられます。

  1. 患者さんの栄養状態の把握を行い、栄養管理が必要かどうかを判定する。
  2. 適切な栄養管理がなされているかどうかをチェックする。
  3. 各患者さんに相応しい栄養管理法を指導・提言する。
  4. 栄養管理に伴う合併症を予防・早期発見・治療する。
  5. 栄養管理上の疑問に答える。
  6. 患者さんの早期復帰を助け、QOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる。
  7. 病院職員を対象に新しい知識の啓発をする。

平成17年より栄養管理委員会の中にNST運営委員会が設置されました。医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・言語聴覚士・理学療法士・臨床検査技師・放射線技師・歯科衛生士・管理事務より構成されています。

施設認定取得状況

No 認定施設 認定団体
1 NST(栄養サポートチーム)稼働施設 日本静脈経腸栄養学会
2 NST稼働施設 日本栄養療法推進協議会

緩和ケアチームについて

がんの病状の進行や治療に伴う様々な身体的・精神的苦痛を持つ患者さんに対して適切な緩和医療の提供、支援を行うため、「緩和ケアチーム」を設置しています。がんの治療時期に関わらず、その人らしい生活をおくることができるようサポートします。

ご希望の方は、主治医や病棟看護師までお申し出ください。

認知症サポートチーム(DST)について

認知症ケアを推進するための多職種によるチームです。医師、看護師、薬剤師、作業療法士、医療ソーシャルワーカーから構成され、活動しています。認知症サポートチームはDementia Support Teamの頭文字をとってDSTと呼ばれています。

病院という環境は、生活の色を感じとることができない白を基調とした単調な色合いの空間に、まっすぐな廊下に沿って同じような部屋(病室)が並ぶ建築的環境が多くなります。特に、当院のような急性期病院ではモニターの音やナースコールの音、ストレッチャーや配膳車が通る音、医療関係者が廊下を行き交う足音など、認知症の人からすると過剰なほどの刺激が多い空間でもあります。加えて、病気による身体の不調を感じ、慣れない治療を受けなければなりません。認知症の人は、入院することで日ごろできていたことがうまくいかず不安になり、更に環境の変化から混乱してしまうことがあります。認知症ケアにおいて、認知症の人が抱える身体の苦痛や心のつらさを理解し、個々人にとって安全で安寧な療養環境を整え、安心して治療が受けられるように支援することが必要となります。

様々な原因によって入院した認知症のある患者さんを診療する医療スタッフへのサポートを行います。病棟での認知症看護・治療の実情について把握し、認知症や認知症ケアに関する正しい知識に基づいて対応方法や治療方法について助言します。そのことにより、認知症ケアの実践力の定着・向上を図り、認知症のある患者さんが最善の医療を受けられ、安心して穏やかな療養生活を送れることを目指します。

認知症のある患者さんへの対応について、病棟スタッフからの要請を受け、毎週ラウンドを行っています。病棟スタッフとともに患者さんのニーズを探り、対応策について検討しています。また必要に応じて、認知症看護認定看護師による、臨時ラウンドも行っています。

褥瘡対策チームについて

褥瘡対策を推進するための多職種によるチームです。褥瘡(じょくそう)は「床ずれ」ともいわれ、ベッド・布団や椅子などと皮膚が接触する部分に強い力が加わることで、皮膚の血流が悪くなり、皮膚やその下の組織がダメージを受けてできる損傷のことです。

目標
  • 褥瘡の発生予防
  • 褥瘡の早期発見
  • 褥瘡の改善・治癒
メンバー構成
皮膚科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士による多職種のメンバーで構成されています。

  1. 患者さんの褥瘡発生のリスクを評価し、褥瘡対策が必要かどうか判断する。
  2. 患者さんに適切な褥瘡対策が実施されているか確認する。
  3. 患者さん個人に合った褥瘡対策を実施できるように指導・助言する。
  4. 褥瘡対策にかかわる体制を確保する。
  5. 適切な褥瘡対策を実施できるように、病院職員を対象に研修を行う。

週2回の褥瘡ラウンドの実施
褥瘡がある患者さんのベッドサイドにチームメンバーが訪問し、褥瘡の処置、ケア方法、栄養管理、リハビリなどの指導や助言を行い、褥瘡の改善・治癒を目指し、活動しています。
週1回の褥瘡カンファレンスの実施
褥瘡発生のリスクが高い患者さんに、適切な褥瘡対策を実施できるようにカンファレンスしています。
病院職員を対象に院内研修を実施